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「大丈夫」

ANAに入社して4年目のことです。
パーサー資格をとって一年。

その日はとあるフライトにて、後方責任者としてパーサーを命じられていた時のこと。
3便あるフライトの中で、便間の時間は短くかつ3便とも満席という「ちょっときついなー」というスケジュールでした。
加えて、12名いるうちのCAは他の課の方で「はじめまして」の方がほとんどというチーム編成でした。

案の定、お客様からのリクエストが多く多忙な便となった中、3便目。最後のフライトの時。
隣のポジションの入社2年目の子が機内販売担当でとても忙しそうにしていました。

私自身も機内のとりまとめ、チーフパーサーへの報告事項、確認などで追われており、当該の子が忙しそうにしているのに気づいていたのにも関わらず「大丈夫?」と声をかけてしまいました。
その後輩は「はい大丈夫です」と一瞬こちらを向いて笑顔で答えてすぐ、手許の販売機の操作をしていました。

その後、到着準備前の最後の確認段階でその後輩が「すみません、操作を間違えました」と青い顔をして報告してきました。
幸い着陸まではまだ時間がありリカバリーができましたので、お客様のところへ一緒に伺いお詫びをして訂正作業を行いました。

その後輩は私が「大丈夫?」と聞いた時点でたくさんのリクエストを抱えており、きっと大丈夫ではなかったはずです。
私もそのことに頭のどこかで気づいていたはずです。

パーサー資格取得訓練の時に「大丈夫ですか?」という確認の仕方はお客様にも仲間にもしてはいけない、と学んでいました。
特に日本人は「大丈夫?」と聞かれてれば「大丈夫」と答える傾向にあるからだと習っていたはずでした。

最後のミーティングの時に販売機の操作ミスをしたと反省を述べ、今後の対策を真剣に語る後輩のあとに私も発言する時間をいただきました。

忙しくしているのに気づいていたはずなのに、手助けする指示をださなかったこと。
「大丈夫?」と声をかけてしまったこと。
この件はわたしのミスであること。
みなさんがパーサーになったときは私のような失敗をしないようにして欲しいこと。

そのことを話しました。

「大丈夫」と言う言葉は世の中にあふれています。

「これ手伝おうか?」
「大丈夫」

「これいる?」
「大丈夫」

YesともNoともとれるこの「大丈夫」がミスコミュニケーションを生んでいるような気がしています。

「一人でできそうだから今は大丈夫。困ったら言うよ」
とか
「今は足りてるからいらない、ありがとう」

とか。
Thank you, but no thank you

の大丈夫ならいいのかと思います。
コミュニケーションはキャッチボールです。
投げたボールがきちんと返ってくるそれを受け止めるまでがキャッチボールです。

あなたの職場ではコミュニケーションのキャッチボールがきちんとできているでしょうか。
このキャッチボールを間違って受け取ると大きなミスにつながることがあります。

今一度、言葉足らずの「大丈夫」に感謝の言葉を付け加えて良好な関係の構築を。

ちなみに安心させる意味の「大丈夫」は心を込めて相手に伝えてあげてくださいね。
大丈夫。あなたは今日もがんばっている。

お盆が明けましたねぇー。
お仕事でこれからお休みを取られる方も、お休み明けの方も。
今週もがんばっていきましょう。