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あなたはなぜお辞儀をするのですか。

CAとして働きだして入社3年目ぐらい。
基本的な業務には慣れて「しなければならない」ことが「できる」ようになって、「やりたい」と思うことが増えたころ。

その日は沖縄―成田線、ボーイング767という中型飛行機の中央のポジションを担当していました。
離陸前の安全業務が終わり、着席しようと目の前のお客様にお辞儀した時のことです。
非常口座席(CA着席シートの目の前、対面する位置)に座られていた外国からの男性のお客様がニッコリ笑って会釈を返してくださいました。
緊急時はこの方がきっと力になってくれるはずだから、何かあったら援助をお願いしよう!と心強く思うほど、大きな屈強な体をしたお客様で優しい笑顔が印象的なお客様でした。

何でも沖縄の米軍基地で勤務されていて、お休みを利用して今からアメリカに帰るところだとか。
少しの会話の後、冒頭のタイトル「あなたはなぜお辞儀をするのですか?」と尋ねられました。

日本人のお辞儀の由来ははるか飛鳥時代にもさかのぼるともいわれています。
中国からの仏教の教えが交わって、それに日本の武道の心得も合わさって「お辞儀」の文化が根付いたとか。

その時は今と違ってそのようなことも学んでいませんでしたし、何とお答えしようか少し迷いました。
英語でなんと表現したらよいかも考え、「お客様への感謝の気持ちを表したいからです」と率直にお答えしました。

ニッコリうなずきながら笑ったそのお客様は「日本が好きで、日本の力にもなりたくてこの仕事を選んだ」とお話されていました。
今でも時折、この光景を話したことを思い出します。

今月初めからイタリアミラノ・コルティナで冬季オリンピックが開催されています。
思うのはメダリストになろうがなれまいが、日本を代表する選手のみなさんの立ち居振る舞い、言葉の使い方が美しいこと。
一流ということはこういうことか、と日々テレビを見ながら学んでいます。
そして、彼らが常に口にするワードが「感謝」。
切磋琢磨したその上を超越すると、こういった所作が言葉が自然と出てくるのだと、そう思いました。

私の講義では「始まりのシーンと別れのシーンを大事にする」ということをお話しています。
特に「別れのシーン」では一期一会の精神で「この先の先様のお幸せとご無事を祈る」という意味でお見送りを大事にするよう指導しています。
それが人だけでなモノや自分自身との付き合い方につながると。

心が疲れたとき、失敗したとき、負けたとき。
誰か一人でも声をかけてくれる人がいて、その方にきちんとお辞儀ができる。言葉なくしても。
お互いの「礼」が人に自分につながると信じています。

悔しい時、悲しい時こそグッとこらえて美しい立ち居振る舞いを。

2月ももう半分過ぎた月曜日。
世の中、年度の変わり目でお忙しい方が多いのではないかと思います。

大きく深呼吸をして。
うまく自分の機嫌をとりつつ。

さぁ、今週もがんばっていきましょう。