下の子が小学校3年生の時、ふと「どんな先生がいい先生だと思う?」と尋ねてみました。
お菓子をほおばりながら「んー」としばらく考えた後、「優しくて、一緒に遊んでくれて、そして・・・失敗する先生!」とニッコリしながら、そう言いました。
子供たちは大人が失敗することが大好きです。
あー、先生も失敗するんだ。
お父さんもお母さんも失敗するんだ。
そこに共感が生まれ、そしてチャレンジすることに恐れなくなるからだと考えています。
後輩の育成指導において大事にしていることが3つありました。
①苦労話ではなく失敗談を話す
私が新人の頃は・・・ではなく、「こんなことをして失敗をしたから私のようになってはだめよ」と少し冗談交じりで話しをしていました。
そうすることで良好な関係が構築され、次のコーチングの段階を踏みやすくなりました。
②失敗を叱るのではなく、なにが原因でそうなったのかを考える
本質を見抜く力が必要です。なぜミスをしたのか、組織としてどこでミスを指摘できなかったか。
ミスを指摘し合えるような関係性ができていたか、など。
怒ってしまえば、それで終わりです。
第一声で決めつけての指摘は決してしないようにしていました。
根本的な解決にはなりません。
③できていることを認める
たった一人でも自分のことを見ていてくれて、きちんとわかってくれている人がいれば人は頑張れるものです。
「ここはとてもできてた。課題はここ。あと少し。」などという声掛けをするようにしていました。
以上、この三点はコーチングの中でも最も重要なことと声のかけ方を含め、パーサーやチーフ―パーサー訓練で徹底的に学びました。
今も子育てや講師としての場面で大事にしています。
そして、近年、取り入れたもう一つの方法は
「そのことが自分のためになると伝えること」です。
とある講義の中で、質問を受け付けたとき
「そもそもなぜマナーなんて必要なのですか?実力があればいいじゃないですか」
とお若い方に尋ねられたことがありました。
マニュアル上の回答は「相手を敬うこと、思いやること、感謝することが大事だから」ということ。
ただ、時代が変わってもう一つ若年層の方に分かって頂くために
「あなたを守る盾になる」「自分のためなんですよ」
ということをお伝えしています。
時間を守らない、約束を守らない、身だしなみが乱れている。
そのような方に仕事を任せたいと思いますか?と。
報告・連絡・相談をするのは、何か起こったときその残った履歴があなたを守る盾になるのですよ、と。
いろいろな物事をより自由に可能性を広げて、という風潮になってきました。
ですが、自由とわがままを履き違えてはいけない、と講師として思うのです。
人を育てるために、まずは自分が彼らの思いを理解すること。
「最近の若者は」とひとくくりにするのではなく、「いいね、その新しい考え方」と誘導していく。
孔子の教えに「温故知新」と言う言葉があります。
故きを温ねて新しきを知る
大事なことは大事にしながら、新しいことを取り入れていく、と解釈しています。
ビジネスでも学問でも大事なことですね。
人を育てる、自分を育てる。
そんな思いの中、がんばっているあなた。
どうぞ鏡を見てください。
きっと良い顔をしてますから。
7月中旬。今朝の長崎はとても涼しくセミの大合唱中です。
「セミって鳴くっていうけれど、笑っていると思うの。外に出られてよかったーって。」
冒頭の下の娘の言葉です。
見方を変えると世界が変わる。
今日も今週もあなたにたくさんの良いことがありますように。
さぁ、暑いけれどがんばっていきましょう。