コンテンツへスキップ

伝わる話し方

講師の仕事をするにあたって、専門的なコミュニケーション学、印象学の他に「話し方」という学問を学びました。
声の出し方、声のトーン、そして「間」の置き方、目線、など。
いかに効果的に、そして大事な部分は印象的に伝えられるかどうか、それらもまた我々講師のスキルの一つになります。

「話し方の品格」(話し方研究所会長 福田健 著 『経済界』出版)という本があります。
その中に品格ある話し方に求められる「三つの礼儀」について書かれていました。

①言ったことに責任を持つ
②口の堅い人になる
③相手の気持ちになって話す

以上、この三つが話し方の礼儀だと書かれています。
たしかに、有言実行の人は周りからの信頼が厚く、もし完璧に実行できなかったとしても何かしら得るものがあります。
人のうわさ話や悪口をペラペラ話すような人はなんだかその人自身もうすっぺらく感じてしまいます。
相手の話をすぐ「わたしの場合は~」と一人称を自分に変えてしまう人には大事な話や相談事をしたいとは思いません。
たしかに。
「話す」という行動にも大事なのは心の中に相手を「敬う」「思いやる」「感謝する」気持ちを持つことが大事なのだと思いました。
これがまた「礼儀」につながるものなのだと。

人には「返報性の原理」というものがあります。
何か突然高価なものを頂いたら「なにかお返ししなくっちゃ」と恐縮する気持ちが生まれることを指します。
個人差はありますが、人が生まれ持つ本能だともいわれています。

あなたが品格のある話し方をすれば、相手も背筋を伸ばし同じように対応しようと返してくださいますし、あなたが軽々しく相手を扱えばあなた自身もそのように扱われる、ということです。

簡単な実験方法があります。
買い物などをして、現金を渡すとき、バーコード決済の際スマートフォンを持つとき、レシートを受け取るとき。
すべての所作において丁寧に指先を揃えて、頭を下げてみてください。
そうしますと、接客する側もシャンと背筋を伸ばしてきちんと対応してくださいます。
相手がきちんとした所作、身なりだと、こちらもきちんとしなければという思いが生まれる返報性の原理のひとつです。

さて、この著書の中でもう一つ、興味深い内容が。
会話における品位を損ねてしまう七つの癖が書かれています。

①すぐに会話を整理したがる
②決めつけた言い方をする
③相手の話を取り上げる
④突然割り込む
⑤関係ない話を持ち出す
⑥全部話さないと気がすまない
⑦人の話にすぐケチをつける

自分の行動にはなかなか気づきにくいですが、どうでしょう、当てはまりそうなところはありませんか。
今日は話し方のトピックですが、これまでのブログでもお伝えしたとおり、コミュニケーションで大事なことは「話す」ことよりも「聴く」ことです。
まずは相手の話をゆっくり聞くようにしましょう。

返報性の原理。
苦手な人にはまずは自分がして欲しいことをしてみる。
困ったときには手を差し伸べる。
挨拶だけはきちんとする。

そういったことが、やがて自分にも返ってくるのだとそう信じています。
是非、話し方の品格を意識して会話をしてみてくださいね。

先週末は子供の遠征の付き添いに長崎の北松浦郡佐々町というところまで行ってきました。
寝ても寝てもなんだか眠たいのですが、うまくリフレッシュして一つずつこなしていきたいと思います。

年末でお忙しい皆さんも、深呼吸して美味しいものを食べて、自分にちょっとご褒美をしながら。
残りの2025年。
さぁ、今週もがんばっていきましょう。