私の父が定年退職を迎えるまで、そして迎えてからも「到知(ちち)」という雑誌を定期購読しており、
読んだものを時折、わたくしも学びの一環として読ませてもらっていました。
とある月の巻頭に早朝の川のほとり、霞がかった中に奥ゆかしく、だけれども強く美しくし緑したたれる竹の写真と共に本日のタイトル「菉竹猗猗たり(りょくちくいいたり)」という文字が書いてありました。
中国の古典「大学」の一節。
弟子たちがその美しい景色を見て、自分たちの君子を思い出し涙を流したーという意味から、
一目見ただけで忘れられないような感化を与えてくれる人、という意味合いで使われます。
白い朝霧の中、緑したたれる竹-その色のコントラストの美しさに一瞬を息をのんだことを今でも覚えています。
自然を見ただけで思い出されるーなんと高い人間力なのだろうとも思います。
人は自分自身を成長させるためには「この方のようになりたい」と思える人に出会えるとその効果は高い、と言われています。
わたくしもかつて客室乗務員時代、入社して間もない頃にそのような方にお会いして、ただひたすらにその方の背中を追いかけていました。
その方は話を聞いてくれるだけでなく「信じているから自信を持って」と声をかけてくださいました。
未だまだその背中を追いかけているように思います。
わたくしもいつか、どなたかが自然の美しさを見てわたくしのことをそっと思い出していただけるような人物になりたいと思っています。
あなたの周りに自然の美しさを見てその方のことを思い出すーそのような方はいらっしゃいますか?
そして、また、あなたご自身はそのような方ですか?
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現在のテーマは「リーダーシップ」。
役職のある方も、これから役職につかれる予定の方もお時間あるときに暇つぶしにご覧いただけますと幸いです。
一度きりの人生、深く、美しく。