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看却下

みなさんは「看却下(かんきゃっか)」という言葉をご存知ですか?

私は30代の頃はじめて知りました。
私の父が致知(ちち)というリーダーや人を導くための雑誌を定期購読しており、そのある時の特集号で初めて知りました。

「足元を見る」という意味があります。
宋の時代の中国の話で「まずは冷静に、まずは足元から」という意味だそうです。

突発的な出来事が起きたとき、冷静にまず「今」の状況を見つめ冷静に対処することが大事です。

客室乗務員時代、中間役職の行動指針の一つに「突発的な事例が起きた際、状況に対応すべき判断、指示ができる」という文言がありました。
看却下はある程度、地位を得た方、そして長くその場所にとどまった方こそ大事な行動だと考えています。

ある程度、地位を得た方は「慢心」という魔法に惑わされてしまうことがあります。
そして、その場所に長くとどまった方は新しく来た方が何がわからないのか「わからない」という現象に陥ってしまいます。

これは組織においてとても著しい問題でもあります。

これまでの人生の中で、手にした本の中でリーダーこそ「看却下」を大事にしているということを学びました。
今の自分の足元を見て、周りの声に耳を傾け、どのような立場であろうと頭を下げる。
そのような心持ちが必要なのだと考えています。

幼い時、私の母が教えてくれた言葉があります。

「実るほど 頭(こうべ)を垂れる 稲穂かな」

私の子供たちへも伝えています。
実るまでの課程においても、そしてありがったく実ったとしても、必ず周りの方には頭を下げなさい、と。
眼に見えず、耳に聞こえずとも、あなたたちを応援してくれているかもしれないから。
そして、もし敵対心を持っている人でも、その姿を見れば気持ちを変えてくれるかもしれないから。

「看却下」

心地よい風の吹く、初秋の中、今一度本質に目を向けて。
大丈夫。
あなたはきっとそのことに気づくはずだから。

長崎は急に冬がやってきそうな予感です。
そろそろ冬支度を。

みなさまもご自愛くださいね。
さぁ、今週もがんばっていきましょう。